０円ソーラーのからくりを解説。後悔しないためにもメリット、デメリットを知っておくことが大事

こんにちは、太陽光発電アドバイザーの烏田と申します。

最近は初期費用がかからない０円ソーラーが増えています。

しかし、

「０円ソーラーは本当にお得なの？」

このように疑問に思う方も多いと思います。

そこで、この記事では０円ソーラーと購入した場合どちらがお得になるのか解説します。

０円ソーラーの種類と特徴

０円ソーラーには主に次の2つのタイプがあります。

この他に屋根貸しという形態もありますが、現在はほとんどなくなっています。

リースタイプの０円ソーラー

最初にリースタイプの０円ソーラーについてです。

リースタイプの仕組みは以下のようになっています。

メリット・デメリットは次のとおりです。

メリット	デメリット
初期費用がかからない 契約期間中はメンテナンス費用がかからない 契約期間後は太陽光発電をもらえる ローンを組まなくてもいい 発電した電気は使ったり、売ったりできる	契約期間が長い 割高となるケースがある 途中解約すると違約金を取られる 好きなメーカーを選べない場合がある

リースタイプの場合、所有権は業者ですが、発電した電気は自身で自宅で使用したり、売電したりできます。

電力販売タイプの0円ソーラー

続いて電力販売タイプの０円ソーラーです。

電力販売タイプはPPAとも言われており、以下のような仕組みとなっています。

画像引用元：再エネスタート 環境省

電力販売タイプのメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット	デメリット
初期費用がかからない 月々の費用がかからない 契約期間中はメンテナンス費用がかからない ローンを組まなくてもいい	契約期間が長い 電気代は大して安くならない 審査が厳しい 契約期間中は蓄電池などを自由につけれない

電力販売タイプは、月々の料金は発生しませんが、発電した電気は事業者のもので、

• 発電した電気を使ったら事業者に料金を支払う
• 売電収入は業者のもの

このようになっています。

購入、リースタイプ、電力販売タイプの比較

以下の表は、自身で購入した場合、リースタイプ、電力販売タイプをそれぞれ比較したものです。

項目	購入	リース	電力販売
所有権	自身	事業者	事業者
初期費用	自身負担	事業者負担	事業者負担
発電した電気	自身	自身	事業者
売電収入	自身	自身	事業者
メンテナンス	自身	事業者	事業者
契約期間	なし	10~15年	10~20年
月々の支払い	ローンの場合はあり	毎月定額支払い	なし

事業者によって契約内容に若干の違いなどはありますが、おおむねこのようになっています。

０円ソーラーの仕組み

０円で設置できるのはいいけど、０円だと逆に怪しいと感じる方も多いと思います。

当然ながら業者も利益が出ないと０円ソーラーなんてやらないはずですよね。

なぜ０円ソーラーが成り立っているのか解説していきます。

①初期費用が0円のからくり

初期費用は0円ソーラー業社が負担しています。

その費用は当然ながら回収して、利益も得る必要があります。

ではどのようにして利益を得ているのでしょうか？

リースタイプの場合

リースタイプは、リース代を契約期間受け取ることで利益を得るようにしています。

初期費用を回収し、利益が出るようにリース代金は設定されています。

①初期費用　＜　②リース代

業者によって月々のリース料金、契約期間は異なるので、リース代の支払い総額がいくらになるのか計算しておくことが大事です。

リース代金の支払総額 = 月々のリース代金　× 支払い回数

電力販売タイプの場合

電力販売タイプは、売電収入と電気代を受け取ることで利益を得ています。

①初期費用　＜　②電気代(太陽光使用分)、③売電金

電力販売タイプも業者によって、発電した電気の電気料金、契約期間は異なるので確認しておきましょう。

電力会社から購入する電気料金と太陽光で使った電気料金の差額が大きいほど、効果も大きくなります。

②メンテナンス・修理費が無料のからくり

万が一故障しても業社が無料で修理してくれるからお得じゃない？

修理費用が無料になるからくりは、メーカー保証です。

太陽光発電システムは耐久性が高く、さらにメーカー保証が充実しています。

そのため、“万が一故障してもメーカー保証があるので、業者は修理費用を負担しなくて済むのです。”

以下は我が家が設置している太陽光発電メーカー「長州産業」の保証内容です。

メーカー保証がこれだけあります。

0円ソーラーのデメリット

0円ソーラーに共通するデメリットは以下の3つです。

これらのデメリット知った上で０円ソーラーを検討しましょう。

メーカー保証が切れた後に無償譲渡される

太陽光発電の中で最も故障しやすいのが、パワーコンディショナー。

寿命は10年〜20年と言われています。

多くのメーカーでは、パワーコンディショナーの保証期間を15年(機器保証)としています。

0円ソーラーの契約期間は10〜20年となっており、15年を超える契約の場合、“メーカー保証が切れた状態での譲渡”となります。

仮に15年契約で、無償譲渡された直後に故障した場合、いきなり20〜30万円程度の費用がかかってきます。

必ずしも0円とは限らない

0円ソーラーのメリットは、基本的に初期費用がかからないことです。

しかし、必ずしも完全に0円になるわけではありません。

注意が必要なのは、標準工事が0円である点です。

つまり、「標準以外の工事には費用がかかる」ということです。

業者によっては、太陽光発電を設置するための足場代が標準外となる場合もあります。

「必ずしも０円とは限らない」ということは知っておいた方がいいです。

自身で購入するのと０円ソーラーはどっちがお得？

自身で購入するのと０円ソーラーはどっちがお得なのか？

結論から言うと、購入する費用と０円ソーラーの契約内容によって変わります。

しかし、「これだと結局どっちなの？」となると思うので、

• 自身で購入
• リースタイプ
• 電力販売タイプ

それぞれの経済効果をシミュレーションしてみます。

項目	購入	リース	電力販売
設置費用 リース代	-1,000,000円 (一括購入)	-1,320,000円 11000円 × 120回	なし
メンテナンス費 (15年間)	-100,000円	なし	なし
支払い総額 (15年間)	−1,100,000円	-1,320,000円	なし
売電収入 (最初の10年間)	＋630,000円 42000kwh × 15円	＋630,000円 42000kwh × 15円	なし
売電収入 (11~15年)	＋168,000円 21000kwh × 8円	＋168,000円 21000kwh × 8円	なし
電気代削減効果 (15年間)	＋945,000円 27000kwh × 35円	＋945,000円 27000kwh × 35円	＋630,000円 27000kwh × (35円 – 22円)
経済メリット (15年間)	＋643,000円	＋423,000円	＋351,000円

15年間の結果としては購入するのが一番得となり、次いでリースタイプ、電力販売タイプという順番になしました。

ただし、購入が必ずしも得というわけではなく、

“割高な価格で購入した場合は、リースや電力購入の方がお得となります。”

購入する場合は、適正価格を把握しておき、割高な価格で設置しないことが大事です。

まとめ

今回は０円ソーラーについて解説しました。

サンプランナーズとしては０円ソーラーよりも自身で購入することを推奨しています。

しかし、０円ソーラーが決してダメと言うわけではありません。

０円ソーラーのメリット・デメリットを知った上で検討することが大事です。

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